個人再生について徹底解説(4)

個人再生申し立ての条件

個人再生に向いている人(1)

個人再生が、多重債務者の方々に新たな選択肢を与えたことは前に述べたとおりです。
個人再生は、それではどのような方に向いているのでしょうか。
もっとも簡単に言うならば、
■自己破産が出来ない人。したくない人。
■任意整理ほどは借金が返せない人。

ということになります。

(1)自己破産ができない人とは?

  • 住宅ローンを返済中だが、住宅を失いたくない人
  • 借金の原因にギャンブルや浪費がある人
  • ローンで買ったものを、他へ転売している人
  • 破産をすると、職を失う人

(2)自己破産したくない人

この仕事をしていると、苦しい思いをされて借金相談に来られているのに、「借りたものは少しでも返したいです」とおっしゃる方が結構おられるいることには、感心させられます。

借金整理に於いて、自己破産も任意整理も、ブラックリストに載ってしまうなどの、デメリットはどれも同じであると考えられています。
すなわち、債権者に返していくかどうかは、気持ちの問題とも言えるのです。
しかし、「たかが気持ち、されど気持ち」。私は、「少しでも返したい」というその気持ちを精一杯応援します。

(3)任意整理ほどは借金が返せない人

任意整理は、原則として「支払い方法の変更」をするものです。
よって、今ある借金について、利息制限法という低い利率の基準で再計算した結果算出された借金額は全額支払わなければなりません。
その算出された借金額を返すことが出来ない場合は、債務整理の他の方法を考えなければならないのです。

個人再生に向いている人(2)

個人再生手続きは、利用出来る人が限られています。一言で言えば、最低限「将来に於いて、反復継続して収入を得られる見込みがある人」です。 そして更に、個人再生の中でも、後で説明する給与所得者等再生の場合には、さらに、「その収入が給与またはこれに類する定期的なものであり、かつ変動の幅が小さいと見込まれる人」しか利用できません。

  • 小規模個人再生は、「事業者」に向いている。
  • 給与所得者等再生は、「サラリーマン」に向いている。

と一応は言えると思います。
この二種類の個人再生については、こちらを参考になさって下さい。

個人再生に向いている人~まとめ~

  • 自己破産ができない人
  • 自己破産をしたくない人
  • 任意整理ほど多くは返済できない人
  • 自営業者は小規模個人再生
  • サラリーマンは給与所得者等更生

個人再生後の返済はどうなる?

個人再生後の
返済はどうなる?

個人再生手続きをした場合の解決例です。
個人再生では、①民事再生法の定める借金等の総額に応じた最低弁済額、②債務者(個人再生をしようとする方)の財産評価額、③給与所得者等再生を利用したときは更に収入額を基準とした返済基準額を比較して、いずれか大きい方の金額を3年から5年で分割返済することになります。

返済額を決める3つの基準

①借金等額基準(最低弁済額基準です)

借金等の総額 最低弁済額
借金額が100万円~500万円 100万円にまで
減額される
借金額が500万円~1,500万円 5分の1にまで
減額される
借金額が1,500万円~3,000万円 300万円にまで
減額される
借金額が3,000万円~5,000万円 10分の1にまで
減額される

②清算価値基準
(財産評価額の総額を基準とする場合です)

債務者が現金、預貯金、生命保険(解約返戻金の額)、自動車やバイク(査定額)、株式・投資信託(時価)、住宅ローンの評価額が住宅ローンの残高を超える場合のその差額など財産を保有している場合。

③可処分所得基準
(年収によって変わってくる基準です)

債務者の年収が高い場合、過去2年間の収入実績に応じて可処分所得を計算します。この金額が①②に比べて高い場合は、③が基準となります。ただしこの基準を使うのは給与所得者等再生を利用する場合に限ります。

【個人再生の事例集】

■CASE1
高額な財産がない場合

住宅ローンを除く借金等の総額1,000万円
住宅ローン残高4,000万円(住宅の評価額3,000万円)
その他に特に財産なし
① 200万円 > ②0円

この場合は、返済額を①の基準で決めることになります。
つまり、1,000万円の5分の1(200万円)を36回(3年)から60回(5年)の分割で返済することになります。

■CASE2
高額な財産がある場合

住宅ローンを除く借金等の総額1,000万円
住宅ローン残高4,000万円(住宅の評価額4,200万円→財産評価が200万円となります)
ローンがない自動車(評価額100万円)を持っている
① 200万円 < ②300万円

この場合は、返済額を②の基準で決めることになります。
つまり、1,000万円の5分の1(200万円)よりも、財産の総額300万円(200万円+100万円)の方が高いため、300万円を36回(3年)から60回(5年)の分割で返済することになります。

■CASE3
住宅ローンがない場合
※個人再生は住宅ローンがなくても利用できます

借金等の総額1,000万円
ローンがない自動車(評価額300万円)を持っている
①200万円 < ②300万円

この場合も、返済額を②の基準で決めることになります。
つまり、300万円を36回(3年)から60回(5年)の分割で返済することになります。

■CASE4
収入が高い場合
(給与所得者等再生を利用する場合に限ります)

住宅ローンを除く借金等の総額1,000万円
住宅ローン残高4,000万円(住宅の評価額4,200万円)
ローンがない自動車(評価額100万円)を持っている
年収800万円(仮に2年分の可処分所得が600万円と計算された場合)
① 200万円 < ②300万円 < ③600万円

この場合は、返済額を③の基準で決めることになります。
つまり、600万円を36回(3年)から60回(5年)の分割で返済することになります。

住宅ローンの支払いの遅れを
正常化します

住宅ローンの支払いが遅れている場合、遅れている分を今後支払っていく分に含め、リスケジューリングを行います。個人再生の手続後、遅れがない状況で再出発することができます。

限定15名

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すぐに債権者へ介入通知を出します。
債権者からの催促のご心配はなくなります。

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